【小説家に聞いた!】小説家の一日って実際はどんな感じ? | それがクリエイター!

【小説家に聞いた!】小説家の一日って実際はどんな感じ?

いえぽぬZ

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こんにちは。「いえぽぬZ」と申します。

商業的に十年ほど小説を書かせて頂いております。

今回は、毎日どのように暮らしているか等々、小説家の生活についてのことをご紹介していきたいと思います。これから目指す上での参考になれば幸いです。

1.小説家としてある程度生計が立つ前の生活

小説家になろうと志してから、まずすることは原稿執筆です。世の中には無数の新人賞があり、小説募集のオファーがありますので、目指すところが示している条件に合う形で書き進めていくことになります。

その間気を付けるべきは、その間、収入も反響も、原稿に関してはゼロということです。当然ではありますが、誰からも注目されず努力を続けるのはかなり大変です。

特に新人賞を狙っていく場合は、選考の期間が非常に長く、その間精神衛生上ハードになることも考慮する必要があります。

もちろんネットに投稿すれば読者からの反応があるため孤独感は緩和されますが、きつい反応にへこんでしまったり、無料で公開しているために、そのサイト以外からのデビューが難しくなるリスクもあります。

いずれにせよ、小説家デビューを目指す場合、いつ結果が出るか分からない状態が続くことを覚悟しなければならないので、執筆外の時間でする仕事や学業も集中してこなしていくことが求められるのではないかと思います。

2.小説家としての仕事が増えてきたタイミング

長編の新人賞を見事受賞して書籍化されたという場合、第一作の売れ行きにもよりますが、その出版社内での定期刊行コースに入れる可能性があります。そうなれば、一線級商業作家としてのスタートを切れたということになりますね。

短編や電子書籍の原稿が採用された場合も基本としては一緒で、掲載の事実により、その出版社、あるいはレーベル内であれば定期的に原稿が採用される、かも知れない権利を手に入れたとも言えます。

さて、小説家は経歴や本業の内容を問わず、履歴書すらいらない仕事です。したがってその評価は、世に出た作品によってのみ下されます。発売、配信された作品が関係者に認められて初めて他所からの仕事が舞い込む形になるわけです。

ただ、いくつか仕事をこなし、執筆慣れして時間が作れるようになったところで他社にアプローチしていくことも可能です。

いずれにせよ、小説家として仕事が増えるタイミングは、初めて原稿が採用された場所で、ある程度作品を送り出したあたりになるでしょう。

3.小説家になってからの日常生活の変化

仕事で小説を書きはじめてから、私がもっとも大きく感じた変化は、私の場合、文字を打ち込むパソコンの前に居る時間がとても長くなったということです。

私は小説以外にもライティングを仕事としてきたのですが、人に会ったりその場に足を運ぶことが少なくないライター業務と違って、完全に自室で座ったまま、誰とも話さずタイピングを続ける形になりますので、作品作りにより全力を傾けているという意識になりました。

そのため、目の疲れや肩のこりなどを感じることは増えましたが、より自由に好きなことを仕事にしているという充実感も高まりましたし、何といっても自分の書いた作品が「商品」となって書店やネット書店に並んだ時の嬉しさは素晴らしいものがあります。

私はどちらかと言うと短・中編の作品をネットや電子書籍で発表することが多いのですが、長編を定期的に刊行する「売れっ子」になるならば、より原稿にかける時間やリテイクにかかる手間は増えていくと考えられますので、最終的には、仕事に打ち込むなら一日のほとんどをアイディア出しとタイピングに費やす日々に至るという想定をしておく必要があるかも知れませんね。

4.現在の日常生活について

私は、原稿料を得られる連載小説と電子書籍をメインに書きながら、賞や持ち込み用の原稿を書く日常を送っています。

そのため、比較的スケジュールがシビアな連載小説を優先し、その後に比較的時間的自由がきく書籍用原稿を進め、空いた時間に採用されるか不明な小説を書いていくといった順番で作品を仕上げています。

それ以外の時間に別の仕事を入れてより現金収入を得るようにしていますが、色々な事情もあり、今は居ながらにして書ける記事などのライティングを中心にしています。

一応、いくらでも書き続けることができる仕事ではありますが、次の日の仕事のために、睡眠時間はしっかり確保するようにしていますね。

ただ、まったく文字を書かない、タイプしないような日は極力作らないようにしています。その方が感覚というか勘が鈍らないような気がするからです。友達と遊んだり飲んだりする日でも、少しだけ早く起きてわずかでも書き進めていく形を取るようにしていますね。

外に出る時は街の光景に気を配ったりもしますが、機会があれば書店に入り、どんな感じの作品が売れているかなどの生きた情報を仕入れるようにもしています。だからと言って作風を変えるわけではありませんが、常に現場をイメージするのは大事なことだと思っています。

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小説家を目指している・小説家としてまだ生計を立てられていない方へ

資料を読み、腕を磨くのはもちろん大事ですが、仕事として考える場合、常に公募情報などに気を配ることがより重要だと思います。一定の筆力があれば何らかの小説仕事を見つけるのは不可能ではありませんし、会社との物理的距離が関係ない職業なのですから、一つ見つかれば、二つ、三つと見つかるようになります。

とにかく実力のみが問われる仕事ですから、どんな形でもプロとしての仕事を経験することこそ、職業小説家への最短距離と言えるでしょう。

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